山中漆器『匠久杯 さび塗り』
Yamanaka Urushi Lacquerware: Cup
ろくろ挽物で国内屈指の技術を誇る山中漆器。縦木取りという木材の切り出し方をするのが山中流で、これにより強度が増し、繊細な挽物が可能になる。山中で80年の歴史を持つ匠頭漆工は、「木地の山中」のアイデンティティを守りつつ、毎日の生活に寄り添ううつわを制作している。
『匠久杯 さび塗り』は、木目の自然な美しさと、人が手をかけた漆塗りの美しさを同時に表現するコンセプトで生まれた。国産ヤマザクラを使い、内側は耐熱性、耐久性に優れたガラスコート、外側は生漆に砥粉を混ぜたさび漆でざらっとした質感に仕上げている。
さび漆を使うことでわずかなヒビを埋め、木材を有効活用するメリットもある。卓越した挽物技術は、1本の木から優雅な曲線を削り出す『IPPONGI』シリーズからも感じられる。