友禅ガラス皿『道のり』
Kaga Yuzen Dyeing; Glass Plate
金丸さんは加賀友禅の修行をする傍ら、着物以外の世界で加賀友禅の技術を使った新商品を企画・制作している。
加賀友禅の着物は多くの職人の手を通り、さまざまな工程を経て制作される。金丸さんはその“道のり”を一枚の絹の上に留め、ガラス皿に収めた。青花で描いた下絵の線や、染料のにじみを防ぐ糸目糊など、本来は着物が完成すると消えてしまう技の跡が、意匠として生き生きと残されている。モチーフは洋花とし、今の生活の中で日常づかいしやすく。描きこまないことで心地良い余白とリズムが生まれ、一枚の絵としても美しい。
「工程を知って加賀友禅をもっと好きになった」という言葉を聞いたことがヒントになった。ものの背景にあるストーリーを伝えることが求められる時代に、この皿が加賀友禅に興味を持つきっかけになってほしい、との想いを込めて。