ペーパーウェイト、パネル
Paperweight, Panel
表具とは、布や紙を張って仕立てる襖、衝立、屏風、掛軸などのこと。石川県七尾市の「慶文堂」の3 代目を継ぐ礒さんは、伝統的な表具技法と金箔を使った加飾技術とを融合させ、現代の生活空間に合った用途を提案している。
ペーパーウェイトは、型紙を使って箔を置く「型置き」や、直線状に細く切った箔を貼る「截金(きりかね)」の技法で加飾する。ねずみに蜘蛛、カエルに蜂などのモチーフが軽妙洒脱で、コレクション心をくすぐる。黒いパネルは組子下地に鳥の子紙を貼り焼箔に截金。白いパネルは紬織りに型置き。和紙の風合い、絹の風合いが、箔の輝きを引き立てる。
「昔の文様はかっこいい。淘汰されずに残ってきただけの普遍的な魅力がある」と語る礒さん。水文、桐文、源氏香文など、バランスよく配した日本の伝統文様が全体を引き締め、洗練された印象を与えている。