審査会レポート

令和2年度の選定商品審査会を11月26日、30日の二日に分けて実施いたしました。当センターのチーフディレクターに古美術販売や建築などの分野で活躍中の2 氏を審査員に招へい。石川で生まれた多種多様な商品が並ぶ中で、応募者のプレゼンテーションや審査員による寸評・助言などが行われ、18事業者の商品が本年度の選定商品として認定されました。

事務局から

石川県デザインセンターの選定商品事業は、優れたデザインの商品を全国に紹介し、少しでも多くの方々の手に取っていただくための支援を行う事業です。昭和62年度から実施し、東京ビッグサイトのインターナショナルギフトショーへの出展は本年度で20回を数えることとなりました。この事業をきっかけに全国の百貨店や専門店などへ販路を拡げた先例も多数あります。つくり手の皆さんには、審査員の先生方のアドバイスに耳を傾け、反映できるものは反映しながら、さらなる飛躍につなげていかれることを期待するとともに、商品が1人でも多くの方々の手にわたり、愛され喜んでもらえることを願っています。

石黒 太朗

石黒 太朗 古美術販売、(株)石黒商店 代表取締役

審査員として、加賀前田家、そして石川県民によって支えられてきた物づくりの精神は、今現在も引き続いていることを、改めて確認することになりました。技術、形、色、主旨に裏打ちされた商品の数々に石川の深さ、郷土愛を知りました。弊店(骨董セレクトショップ)でも取り扱いしたい商品が盛り沢山です。ネット全盛の時代ですが、展示会場で、県デザインセンターで、実物を観て、触って、体験くださることを期待します。

やまだのりこ

やまだのりこ 建築家 あとりいえ。代表

大変興味深かったです。コロナ禍において、どの分野においても少なからず影響が出ていると思います。が、その中でも羽ばたこうとする力強さを感じたり、また地道に自分の道を極めておられたり。各々の強い「きもち」を受け取ることができたのは、とても幸運でした。ひとつ気になったのは販路。素晴らしい「かたち」をより多くの方々に! 建築の分野とコラボできそうな商品もあり、今後につなげられたらと思います。

志甫雅人

志甫 雅人 (公財)石川県デザインセンター 事務局長・チーフディレクター

コロナで、ものづくりも出口の見えない状況が続いています。さて、衣食住遊休知美という語句はご存知でしょうか。暮らしに対する私たちの関心領域の広がりを示しています。では美の次はどんな語句が来ると思いますか。脱、素、接と続きます。何故かコロナ時代にピッタリに感じてしまいます。価値観のレイヤーが多層化するなかで、今回も作り手の巧みな技術と熱い気持ちをお伝えします。