山中漆器 『mebuki』
Yamanaka Urushi Lacquerware; Bowl
石川県の3つの漆器産地のひとつ山中は、木地挽物の技術が強みで、他産地からも一目置かれている。匠頭漆工はその山中で 70 年以上の歴史を持つ木地屋だ。木という自然素材と向き合い続ける中で、これまで廃棄されてきた「節」の入った木地の価値を再定義したいと考えるようになった。
『mebuki』は、節をうつわの景色として楽しむブランド。節を縁取るように遊びごころあふれる蒔絵を施し、欠落した部分は漆で補修する。節を隠すのではなく際立たせることで、従来の漆器にはなかったいきいきとした表情が楽しめる。表面は拭き漆で艶やかに仕上げており、工芸本来の美しさも備えている。
そもそも節は幹に残る枝の一部で、木のいのちのあかしともいえる。節があるからこそ、新しい芽が出て成長する。縁起物のお椀として、子どもへの贈りものにも。