お香立て『香灯窓』
Incense Holder
「大福寺石」の産地として知られる志賀町大福寺で、親子二代で石材店を営む中島さん。石材店というと墓石や燈籠などが思い浮かぶが、それだけでなく、火鉢にうつわ、照明にオブジェなど、暮らしまわりで使うさまざまな石のアイテムを制作している。自然の中にある石の姿をそのまま活かした野趣に富んだもの。刻んで、彫って、磨いて、丁寧な仕事で造形したもの。表現は多様だ。
『香灯窓』は、日本の寺社建築などに見られる「火灯窓(花頭窓)」の意匠にヒントを得て作ったお香立てだ。小さな祠のような空間でお香を焚くと、細い煙がすうっと立ちのぼる。目を閉じて、深呼吸をひとつ。
いろんなモノが軽量化、コンパクト化している今、住まいの中に石のどっしりとした存在感があるとかえって新鮮だ。手で触れると、ほっと心が和む。長い長い時間の中で造り出された石は、力強く、そして優しい。