加賀ゆびぬき

加賀ゆびぬき

Kaga Yubinuki Thimble

ひとつ手に取ると、ほれぼれするほど美しい。いくつか並べると、幸せな気持ちで満たされる。
「加賀ゆびぬき」は、城下町金沢の女性が余り糸を使って自作していた裁縫道具である。既製品のゆびぬきが出回るようになると、ゆびぬきを手作りする人は減った。時代の波間からこの愛らしい道具をすくい上げたのが、祖母、母の指導のもと加賀ゆびぬきの制作を始めた大西さんだ。

厚紙で作った型を布でくるみ、真綿をかけ、色とりどりの絹糸で型のぐるりを順々にかがっていくと、やがて精緻で華やかな幾何学柄が浮かび出てくる。「青海波」「鱗」といった伝統模様もあれば、作家が工夫を凝らした創作模様もある。小さいけれど、模様の可能性は無限だ。

裁縫に実用するだけでなく、飾ったり、コレクションしたりする人も多い。大西さんは、小ぶりなゆびぬきをチャームにしたネックレスも提案している。

加賀ゆびぬき
加賀ゆびぬき
各 ¥11,000〜

Profile

大西由紀子

加賀てまり毬屋
大西由紀子 ONISHI Yukiko

加賀ゆびぬき作家。加賀ゆびぬきの会代表。
2000年から祖母や母の指導のもと、ゆびぬきを作り始め、各地の展示会やさまざまな媒体で作品を発表している。

石川県金沢市南町5-7
Tel : 076-231-7660
Fax : 076-231-7660
E-mail :
mariyakagatemari.com
URL :
http://kagatemari.com

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