木彫刻
すいはつ・おひなさま
Wooden Vase / Hina doll
長谷川さんが社寺仏閣の彫刻という伝統工芸の世界を経て、日常生活に根差した木工品づくりに携わるようになったのは6年前のこと。暮らしの奥深くに入り込んでいる“木”の魅力を知る中で、今いちど彫刻という原点に返り、自分らしいものづくりのあり方を探している。
ノミ跡が美しいすいはつは、自身が「花のある生活が好きだから」とつくったもの。道端の可憐な草花を摘んで活けるだけで、奥ゆかしく空間を彩ることができる。コンパクトな檜のおひなさまは、友人から頼まれたのがきっかけ。子を思う親の気持ちを想像しながら彫刻刀を操り、彩色した。
「作家性を主張するより、自分ができること、いいなと思ったものに取り組みたい。」奇をてらわず、自然に、そして丁寧に。やさしく温かな“木のもの”を生み出していく。