シェーカーオーバルボックス
Shaker Oval Box
丈夫で軽く、使い勝手が良く、入れ子にしてコンパクトに保管できる。シェーカーボックスは、18~19世紀のアメリカで、清教徒の一派であるシェーカー教徒によって作られた収納道具だ。「美は有用性に宿る」との考えから簡素で機能性を追求するシェーカースタイルのものづくりに感銘を受けた奥野さんは、シェーカー家具について書かれた洋書を紐解きながら独学で木工を開始。現在はTiny work shopとして、能登の山の中に文字通り“小さな工房”を構えてシェーカーボックスを制作している。
24の工程には、ひとつひとつ理由がある。見えないところにこそ手間をかけて丁寧に。シェーカーボックスにはすでに完成されたかたちがあり、唯一“スワローテイル”と呼ばれる接合部分に作家の個性が出るのだとか。時を超えても色あせない用の美に奥野さんらしさをひとさじ加え、使い手へと手渡す。