10
輪島塗

T・U・B・U
塗師屋の作った洋食器

フォークやスプーンが使える漆器を、
輪島から。

加波次吉漆器店
加波 基樹

パスタ、カレー、オムライス。日本の食卓では洋食が日常となり、フォークやスプーンが当たり前のように使われている。「出番が減ってしまった漆器をもっと生活に取り入れてもらには、洋食に合うデザインや、金属のカトラリーを使っても傷がつかない工夫が必要だと思いました」と語るのは、輪島塗を手がける加波さんだ。

そこで、若い世代が手に取りやすい洋食器に取り組んだ。北欧調テイストを採用し、シンプルで使い勝手のいいフォルムを創り出す傍ら、赤黒が主体の伝統的輪島塗から抜け出し、青・白・赤の明るいカラー展開を試みたのである。

さらに注力したのが工程の再検証だ。強度はもちろんのこと、作業の簡略化によるコスト低減を狙い、最低の工程で最高の強度を実現するべく伝統技法「蒔地」を採用した。これは全面に漆を塗り、地の粉と呼ばれる珪藻土の粉を蒔きつける手法で、器を頑丈にするとともに地の粉の粒が器に傷がつくのも防いでくれる。粒にちなんで「T・U・B・U」と命名、数アイテムに展開したところ、漆器とは知らずに手に取る若い世代が多く、好感触のスタートとなった。

明治創業の漆器店の4代目。輪島塗の伝統を継承していくためにも「もっと漆の良さを知ってもらわねば」と加波さん。普段使いの輪島塗の追究に余念のない日を過ごしている。

盛り皿/ 小判プレート/ カトラリーレスト/ ボウル/ 丸皿 盛り皿/ 小判プレート/ カトラリーレスト/ ボウル/ 丸皿

盛り皿 各色¥32,400 / 小判プレート 各色¥14,040
ボウル 各色¥10,260 / カトラリーレスト 3色組¥3,780
波ボウル 各色¥25,920 / 丸皿 各色¥16,200

Reasons for selecting選定のポイント

明るいカラー展開が特徴的、価格設定も手頃で求めやすい。カップなどの需要も期待できそうで、今後の展開が楽しみである。

Profile

加波基樹

加波 基樹Motoki Kaba

1970
石川県輪島市生まれ
1988
石川県立輪島実業高校商業科卒業
輪島漆器大雅堂株式会社入社
2000
3代次吉(父)に師事
2003
千舟堂岡垣漆器店入社
2004
独立/加波次吉漆器店
輪島塗展/黒埼井筒屋(福岡県)
2009
漆塗ヘルメット発表
ミラノ・サイクルショー/
漆塗ヘルメット出品(イタリア)
アレックス・モールトン展/ 漆塗小径自転車出品(東京)
2014
ぎゃらりーぶんかとう
『工房自慢のガラス展』(福岡県)
石川ブランド認定(TUBU)

加波次吉漆器店

〒928-0015
石川県輪島市市ノ瀬町3-4
電話/FAX 0768-23-1193
E-mail kaba@jikichi.jp
URL www.jikichi.jp