草花も生けられるお香立て
Incense Holder cum Flower Stand
金沢美術工芸大学を卒業後、手わざを活かせる仕事がしたいと鍛冶師の道を選んだ河上真琴さん。鉄とチタンを自在に使って、花器やお香立てなどを制作する。持ち味の流れるような曲線は、頭で考えるより、感覚で仕上げているそう。最近は曲線から直線へ、動から静へと作風を広げ、よりシンプルで、余白の多いかたちも生み出している。
『フラワーピンセット』は、茎をつまむように固定して草花を生ける一輪挿し。お線香を挟めばお香立てとしても使える。丈夫で錆びないチタンに槌目をほどこし、古色を帯びた風合いに仕上げている。 それ自体は主張せず、草花を挿してはじめて、どこかはかなげで美しい景色が生まれる。「どんなに技巧を凝らしたデザインも、自然の草花の美しさには勝てません」と謙虚な思いを込めて。