審査会レポート

令和4年度の選定商品審査会を11月28日、29日の二日に分けて実施いたしました。当センターのチーフディレクターに古美術販売や建築などの分野で活躍中の2氏を審査員に招へい。石川で生まれた多種多様な商品が並ぶ中で、応募者のプレゼンテーションや審査員による寸評・助言などが行われ、18事業者の商品が本年度の選定商品として認定されました。。

事務局から

石川県デザインセンターの選定商品事業は、優れたデザインの商品を全国に紹介し、少しでも多くの方々の手に取っていただくための支援を行う事業です。昭和62年度から実施し、東京ビッグサイトのインターナショナルギフトショーへの出展は本年度で21回を数えることとなりました。この事業をきっかけに全国の百貨店や専門店などへ販路を拡げた先例も多数あります。つくり手の皆さんには、審査員の先生方のアドバイスに耳を傾け、反映できるものは反映しながら、さらなる飛躍につなげていかれることを期待するとともに、商品が1人でも多くの方々の手にわたり、愛され喜んでもらえることを願っています。

石黒 太朗

石黒 太朗 古美術販売、(株)石黒商店 代表取締役

ご意見をお聞きしていると2つの要素が見受けられました。一つは再利用です。昔の在庫、使用済みの物などを使い新しい商品を生み出していること。もう一つは、材料費高による利益の低下と値上げ問題です。一度上げた価格を下げることはむずかしい、これは小売店が抱える永遠の課題でもあります。世相が強く反映した商品を拝見でき、石川の製作者の技術、面白さ、楽しさを感じました。コロナ後に受け入れて頂けることを期待します。

やまだのりこ

やまだのりこ 建築家 あとりいえ。代表

建築に携わる者として、その領域が年々広がってきているのを感じていますが、デザインの領域も同じ傾向にあるんだなと思いました。伝統工芸の洗練や再解釈はもちろん、新たな分野のデザインや素材、新たなアプローチからの表現といった、バラエティに富んだラインナップで、興味深い選定でした。県内のつくり手の層の厚さ、意識の高さを感じ、嬉しくもなりました。気持ちは同じ。共に、よりよいカタチをつくりだしていきたいです。

志甫雅人

志甫 雅人 (公財)石川県デザインセンター 事務局長・チーフディレクター

良いデザインの判断基準としては、姿かたちの良さや作られている素材、使いやすさと機能、適正な価格などがあげられます。今回もいろいろな商品が集まり、作り手の方々とも直接お話する機会を得ました。その中で作り手の皆さんが素材感や質感を大事にされていることがよく伝わってきました。目で愉しみ手触りも良い、まさしく知覚的に心地よいものが多かったように思えます。カタログや展示会でその良さが伝えられるよう頑張ります。