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陶芸を学ぶために来日した。金沢美術工芸大学大学院で学んだ後は、九谷焼の工房で活動。現在はアトリエで創作に励んでいる。多忙になるとつい食事もいい加減にすませがち。そんな日々を送る中で思い立ったのが今回の作品だ。ごちそうがなくても一つ置くだけで食卓が華やぐ箸置き。使わないときでも飾って楽しめる小物。自分が欲しいと思うものを土で表現した。 モチーフは「ポジャギ」。韓国の風呂敷である。日本の風呂敷は一枚布だが、ポジャギは何枚もの布を組み合わせて作る。 |
布をパッチワークすることで生まれるデザインの小宇宙を、金さんは伸びやかな線で箸置きや香合の上に描き出した。彩りには、九谷焼の金彩や色絵を自分流に採り入れた。韓国では王様の色であった金色を多用し、しばし王様気分を味わってほしいとの意図も込めた。箸置きが大きめサイズなのは、スプーンを必ず使う韓国の食事を意識したからだ。小さな香合はどんな空間にも似合うたたずまい。小箱として使ってもいいし、プレゼントにも喜ばれそうだ。韓国の文化と日本の文化の出会いがもたらした心うれしい小品である。 |
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