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優雅にして精緻。用の確かさと姿の美しさが共鳴する金沢漆器「彩漆 長手組盆」。見事なまでの機能美に新しさを見出す人が多いのだが、岡さんはいう。「金沢漆器の伝統を現代に再現することが私のものづくりです。だからもし能作の商品に評価をいただいたとすれば、それは伝統の金沢漆器がいかにスマートで色あせないものであるかの証なのです」と。 金沢漆器は加賀藩の庇護のもとに発達した。殿様やお姫様の審美眼に応えるべく、気品に満ちた優美なデザインと、技を駆使した繊細なつくりを得意とする。 |
岡さんはそうした伝統を大切に守りつつ、現代向けに再生することで感度の高い道具類を提案している。 「長手組盆」は、和にも洋にも食卓でも文机でも使える自在性を持ち、中に仕切りを入れて積み上げを可能にした。入れ子仕様で、縁の連なりが美しいグラデーションを形成する。「覆輪」(錫で縁取りする技法)転じて「福輪」と銘打った瀟洒な盆も、多彩な使い方ができそうだ。木地から塗りまで、作業はすべて金沢。「使われてこそ器。毎日使いたくなるものを」と、伝統の再編集に余念がない。 |
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