加賀百万国の万華鏡
「加賀百万国の万華鏡」―創造性溢れる「加飾の世界」―
石川の工芸の魅力(審査講評)
平成17年度 「地域グッドデザイン選定普及事業」事業概要
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石川の工芸の魅力1
「加賀百万国の万華鏡」―創造性溢れる「加飾の世界」―
  作り手は「ものが売れない」と嘆いていますが、売り手からは「売るものがない」、使い手からは「買うものがない」というため息のもれる不思議な時代です。
  さらに作り手の現場では、○○焼とか○○塗という産地性、また創作の軸足が工芸なのかクラフトなのか、作家なのか問屋なのかなど、様々な制約に縛られて、それがどうにもならないものだと思い込んでしまっている風潮があるようです。

  こうした状況を打破するために石川県デザインセンターでは、昭和62年「普段使いの、地域の、デザインの優れた商品」を選定・普及しようと「石川県デザインセンター選定商品事業」をスタートしました。そして選定商品のメリットを拡大するために10年前からギフトショーに出展し、新しい販路開拓に取り組んできました。

  そこで得られたお客様の声は、私たちのいろんな思い込みを吹き飛ばしてくれました。
  椀や鉢といった従来の工芸品ではない「何か新しいもの」が求められ、誰が、どこで、どんな思いで作っているのかという「作り手の顔」が求められ、できることなら売り言葉につながる「何か楽しいお話」も求められていたことです。そして有名な作家さんばかりではなく、若くて元気な「誰か新しい人」が求められていました。こうしたことから、この4〜5年は「新人発掘」に力点を置き、大変好評をいただいてまいりました。

  デザインの基本的な考え方の一つは、使う立場に立って考えられた「シンプルで機能的な形」です。装飾というものを否定してきましたので、この事業では、基本的にモダンな形を求めてきました。
  しかし石川という地域は、九谷の色絵、漆の沈金・蒔絵など「どんな加飾を施すか」が宝です。デザインの立場からすると、それはいけないことかもしれませんが、世の中の商品がますます無国籍化し、心に響くクラフトになかなか出会えないでいる今日、石川の加飾文化はかけがえのない財産のように思います。それぞれの小さな創造性と美意識が、それこそ万華鏡のように散りばめられています。   こうしたことから今回は「加賀百万国の万華鏡」をテーマに、伝統の写しではなく、創造性溢れる加飾の世界で構成してみました。

  お愉しみいただければ幸いです。


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