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祥瑞、山水、唐草、花鳥など古典柄をまとった器たち。若手にしては「意外に正統派」というのが第一印象である。
やきものを始めて7年。「伝統には伝統の良さがある。古典にはロングセラーであり続ける理由がある。
真似をしてみて初めて分かる魅力もあるはず」。その言葉には、浦さんのやきものに対する誠実さが見てとれる。 師匠の橋本俊和・薫夫妻は、須田菁華窯で器作りを学んだ。 初代須田菁華といえば、芸術家であり美食家としても知られた北大路魯山人に陶芸の手ほどきをした人物である。 魯山人は料理と器の関係に誰よりもこだわった。 その流れを汲むせいか、「器は使ってこそ生きるものだと思うんです。 |
料理を盛り付けて映える器を作りたいですね」との彼女の言葉にも説得力がある。 山水文や花鳥文に彩られた2段の重箱は、小ぶりながらも存在感たっぷり。 料理やお菓子はもちろんだが、ジュエリーボックスとして使っても面白そうだ。 蓋物や箸置にちょこんと付いた「豆男」は古典からヒントを得たというが、どことなくユーモラスな感じに彼女らしいのびやかさが感じられる。 「いいものをどんどん勉強したい。その上でアレンジを重ねながら自分のスタイルを見つけたい」。 今はまだ「模索しながらもがいている最中」とはにかむ彼女だが、新しい伝統を作っていくのは、彼女のような人なのかもしれない。 |
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