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朴木地屋の後継者、漆器のプロデューサー、輪島と全国をつなぐモノ創り文化の発信者・・・と桐本さんには実にさまざまな顔がある。筑波大学でデザインを学んだ際、「生まれ育った地が生み出す漆器を、世の中に広めることが私にとってのデザインの実践」と確信し、現在につながっている。 今回のテーマは「歩く漆」。器や家具のような家に置いて使う漆器だけでなく、いつも身に付けて愛用してもらう漆器を提案したかったからだ。なかでも「漆の携帯硯箱」は、その小さな世界に11人もの作り手の技が結集した力作。堅牢な地の粉下地仕上げの漆箱の中に、奈良筆や飾り金具職人らが手がけた筆、お玉、 |
硯石などが宝箱のように収められている。 3年前から試作を重ねていたという装身具類も、今回の注目作品。江戸時代の印籠や根付をイメージして作り、「大人の密かな楽しみとして付けてほしい」漆のストラップ、木目を生かした軽くて手触りのやさしいアクセサリーなどは、ジュエリー関係者やギャラリーオーナーと相談しながら作り上げた。 桐本さんは、輪島で漆器作りに携わる作り手たち9名のアンテナショップ「ギャラリーわいち」代表でもある。「能登空港の開港で東京がぐんと近くなりました。今後も作り手と使い手の交流を一層深めていきたい」と、その旺盛な行動力はますます盛んだ。 |
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