審査会レポート

令和5年度の選定商品審査会を11月22日、24日の二日に分けて実施いたしました。当センターのチーフディレクターに古美術販売や建築などの分野で活躍中の2氏を審査員に招へい。石川で生まれた多種多様な商品が並ぶ中で、応募者のプレゼンテーションや審査員による寸評・助言などが行われ、18事業者の商品が本年度の選定商品として認定されました。

事務局から

石川県デザインセンターの選定商品事業は、優れたデザインの商品を全国に紹介し、少しでも多くの方々の手に取っていただくための支援を行う事業です。昭和62年度から実施し、東京ビッグサイトのインターナショナルギフトショーへの出展は本年度で22回を数えることとなりました。この事業をきっかけに全国の百貨店や専門店などへ販路を拡げた先例も多数あります。つくり手の皆さんには、審査員の先生方のアドバイスに耳を傾け、反映できるものは反映しながら、さらなる飛躍につなげていかれることを期待するとともに、商品が1人でも多くの方々の手にわたり、愛され喜んでもらえることを願っています。

石黒 太朗

石黒 太朗 古美術販売、(株)石黒商店 代表取締役

茶の湯では数寄者という物数寄な方がいらっしゃいます。物(道具)が大好きです。多かれ少なかれ物へのこだわりは日本人にはあるのでしょう。今回は、老舗の挑戦、新素材、縁起物など多岐にわたるプレゼンがありました。一方で、高齢化、技術の継承、生き残りといった課題に向け、作り手の皆さんが次を考え、そしてもがいていることが伝わってきました。我々売り手も同様です。国内外のお客様、バイヤー様に刺さればと期待するばかりです。

やまだのりこ

やまだのりこ 建築家 あとりいえ。代表

代表今回も多種多様なつくり手さんのきもちとかたちを聞くことができました。各分野でアップサイクルの検討が当たり前になりつつあることを感じ、よい時代になってきたなぁとしみじみ。その道のプロの方々の深いお話は大変新鮮で、学びも多く、貴重な機会をいただきました。建築の分野とも遠からず。よりよいカタチを一緒につくりだせそうな気がしてワクワク。きっと機会があると思いますので、今後ともよろしくお願いいたします!

志甫雅人

志甫 雅人 (公財)石川県デザインセンター 事務局長・チーフディレクター

魅力ある商品に対して、商品力が高いという言い方をよくします。それは商品コンセプトが明確で、開発手法が斬新だったり、売り方、見せ方がおもしろくて、適正な価格だといった商品としての総合力だと思います。今回もそのような商品力の高いいしかわの「きもちとかたち」が数多く集まりました。本事業のカタログ制作や展示会出展を通じて、より一層、商品力に磨きがかかることを期待しますし、また応援していきたいと考えています。