山中漆器 和ろうそくスタンド『yuwaragi』
Yamanaka Urushi Lacquerware; Candle Holder
洗練されたデザインと、どこにもない存在感。叢雲塗(むらくもぬり)を施した山中漆器の台座の上に灯るのは、七尾市の高澤ろうそく店が作る和ろうそくのあかりだ。炎がゆらぐと空間の陰影もゆらぎ、別世界に来たような感覚になる。
叢雲塗は戦後、山中で行われていた変わり塗りで、漆を塗ってやや乾き始めたところに和ろうそくの煤で黒い雲のような模様を付ける。叢雲塗を受け継ぐ塗師は今やただひとり。貴重な技法を守り伝えたいと、木地師の家の4代目、浅田明彦さんが叢雲塗のうつわを商品化した経緯がある。工程で和ろうそくを使うことから、今回のスタンドの開発につながった。石川の伝統工芸である山中漆器と和ろうそくが、互いの魅力を高め合い、ひとつになって癒やしの空間をつくる。