九谷焼 『花憐』シリーズ
Kutani Porcelain; Plate, Cup
奇をてらわず、でも手間を惜しまず。「色絵遊」という工房名にぴったりの、心が浮き立つような華やかな上絵。
九谷焼技術研究所を卒業した後、家業の卸問屋でオリジナル商品を制作する工房を立ち上げた小高裕子さん。日々キッチンに立つ立場から、ふだん使いできる食器としての九谷焼を意識し、料理やお菓子が映えるデザインと配色を洗練させていった。九谷焼の伝統的な模様である花詰も、小高さんの手にかかれば軽やかで今風に。「主役はどうぞこちらへ」と促すような余白があり、盛り付けを考えるのが楽しい。
見込みに模様があれば、食べ終わったときにちょっと嬉しい。底に一輪の花があれば、お皿洗いも楽しくなるかも。そんな小さな幸せもしのばせて。