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水引と聞いて思い浮かぶのはまず、金封や結納飾りであろうか。他の伝統工芸と同様、生活スタイルの変化とともに日常での登場シーンが徐々に減ってきている。「心を伝える水引は、日本のすばらしい文化。次代に継承するためにも、生活の中にもっと採り込むことが大切」と語る長田さん。そのために今、普段の暮らしで楽しめる水引細工に取り組んでいる。
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「鈴虫」は季節感を味わうアイテムである。羽を震わせて鳴く姿を心に描きながら結んだ。腹、胸、頭からつながった8本の水引の先端が触角や足となって生えている。伝統のあわじ結びを基本に、あらゆる形を巧みな結びで表現する。未知の結びがあれば解いて結び方を探求し、三尺(約90cm)の水引をいかに使い切るかに心を砕く。それが長田さんの流儀である。雀、金魚、花など、身近なものを次々と見事な水引細工に変えている。 一方「花結び」は、軽くて色も限られがちだった水引細工のイメージを超えるものとして制作された。百色以上の水引から色を選択。多様な結びが駆使されて、どっしりと重厚感のある床飾りに仕上がっている。美しい結びに明日を託して、長田さんの手は止まることがない。 |
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