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波打つようにやわらかな曲線を描く、優しげな器。一つひとつ木目や色、形が違い、見ているだけでもほっこりとしてくる。これらはどれも朴木地師、久保田さんの手から生まれ、息を吹き込まれた器だ。 「輪島キリモト代表が漆器木地のために見定めた良質の朴の木が20年以上倉庫に寝かせてあります。新分野に挑戦する代表の思いをぜひ形にして世に出したい」。久保田さんは輪島生まれ。大学の工業デザイン学科ではさまざまな素材を学んできたが、やはり子どもの頃に親しんだ木の感触が忘れられず、輪島塗の木地師の世界に飛び込んだ。 |
朴木地は刳りものに向いている。堅くしっかりしているが、削りやすくて曲線なども出しやすいという。しかし、荒彫りは機械でもできるものの、仕上げは指先ほどの小ガンナを使っての細かな手仕事。その部分こそが朴木地師のこだわりであり腕の見せどころである。木と会話しながら加工を施し、うまく仕上がれば器は生き生きと個性を輝かせて歩き始める。今回の朴の葉皿や蓮の葉皿は、丹精込めた一枚ものばかりで量産はできない。こんな心を込めた手仕事を今後も続け、後世に伝えていきたいと語ってくれた。
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