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唐変木。その名の通り、一風変わった味わいを醸す作品である。ほっこりした温かみ。不思議なふてぶてしさ、自己主張がある。微妙にゆがんでいるのは「木が自由に動いて止まった形」という。 一般に、木地挽き職人は、乾燥する時の木の動きを最小限におさえて制作するもの。でも谷口兄弟はあえて動きやすい榎を使い、自然の造形を器にしてみせた。内側は朱塗りの下に黒漆が浮きあがる根来塗り。途中から塗りを変え、 |
側面にわたってカンナ筋を施している。艶と筋、塗りの変化と、心憎いバランスだ。「全体に遊び心をちりばめた作品」と語る。 物産展などで全国を回るうち、人々の「漆器は扱いにくい」という先入観に驚いた。家業の木地挽きを通して幼い頃からなじんできただけに、漆器への思いはひとしお。「親しみのある器やアクセサリーなどを通して、子どもや若い人たちに自然と漆器にふれあう生活を提案したい」と、2人の夢はさらに広がっている。 |
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