ほがらかな笑顔が印象的な津幡さんが取り組んでいるのは、古布と陶器。「どうして2つも?とよく聞かれるんですが、自分を表現したいと手探りしているうちに、必然的にこうなったという感じなんです」。
探究心旺盛で、自己表現のための努力を惜しまない。だから、表現方法が2つあってもそれぞれの仕事に手抜きはできないそうです。さらには古布と陶器を一体化させる試みも進行中。
古布の色や風合いに魅せられて、古布の指輪を作ったところ、コンペで金賞を受賞。それがきっかけで作り始めた指輪は、配色からビーズのつけ方ひとつまで、すべて計算し尽くされた完成度の高いもの。
その一切妥協のない仕事ぶりからは、緊張感さえ感じるほどです。 |
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津幡さん自身も、ひとつの指輪を完成させるのに膨大なエネルギーを消耗するとか。一方で、陶芸という別の表現法にも意欲的に取り組んでいる津幡さん。
作品の一つ一つがとても表情豊かで笑みを誘います。
それもそのはず、まるでわが子のように愛情を注ぎ、「本当に楽しい」と思いながら命を吹き込むのだそうです。
一見正反対とも思える古布と陶器。「指輪が静なら、陶器は動。張り詰めた緊張感が私なら、ほっと和む柔らかさも私自身。
対極的とも思えますが、それがうまく融合したときには、お互いがもっと引き立てあえると思うんです」。その言葉に、作品たちが誇らしげに輝いていました。
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