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金沢市街地から小一時間、こんもりと繁る山々を背景に広がる「吉野工芸の里」。その一角に、内藤さん夫妻の工房があります。
コンクリート土間の小さな工房で迎えてくれた紀子さんは、「能登島から移り住んでもう10年。3人の子育てに追われてあっという間に過ぎてしまいました」と、
穏やかな表情で語ります。吹きガラスの制作をメインに、ご主人は窯周りの力仕事や色の調合、紀子さんは商品の受注管理など、毎日の仕事には自然と分業ができ上がっています。 紀子さんがガラスに惹かれたのは、能登島ガラス工房で初めて体験して以来。「ガラスの種を溶かして吹いて、広げて成形する。そのシンプルさがなんともいえず気に入って。 |
1回勝負の厳しさも私に合っていたんでしょうね」。さらに、この吉野谷の大自然との出会いが、紀子さんに新たなインスピレーションを与えました。「雪解け後の山の移り変わりの鮮やかさ。
芽吹きから新緑への圧倒的な生命力と神秘的なエネルギー、そんな自然を眺めていると型にはまりたくないと思えてきます。
今回の作品もそうですが、ちょっとしたことで壊れない厚み、ぽってりとしてのびのびとした形が好きなんです」。 白山麓の自然と紀子さんの人柄が融合した器は、包み込むような温かさがあります。サンドブラストで細やかな模様付けにも挑戦したいと語る紀子さん。これからの作品にも期待が膨らみます。 |
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