長谷川さんは、お父様が美術の先生だったため、小さなころから当然のようにアートに囲まれていたと言います。
そんななかで、銀のもつやわらかな温かみや色味にひかれ、彫金や鍛金などの金工の世界に入りました。今回の作品は布目象眼。
素材の銀を、ブローチやネックレスなど思いのままに形を整えた後、金箔を貼り付けてたたく伝統技法の布目象眼を施します。
彼女がデザインした現代的なジュエリーに、細かい布目のような繊細な模様がしっくりなじみ、控えめな華やかさを演出しています。
作っているときは夢中で、夜中になることもありますが、音が響くため、時間にはやはり気を使うとか。 |
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「こんなに小さくても魅力がたっぷり、いろんな表現ができるんですよ」。
お洒落をする女性が使うものだからと、ジュエリーの金具にもこだわり機能性も追求しています。
このジュエリーをどんな人がどんなシチュエーションで付けてくれるんだろうか、気にいってくれるだろうか、そんなことを思いながら心を込めて作っているのだそうです。
イメージにしたいモチーフは、植物や風、水、風景など、自然そのものです。だから野山などにでかける時は必ずスケッチブックやカメラを持って、気にいった自然風景を切り取ってきます。
「目に見えないものは心と肌で感じて」と語る長谷川さん。ジュエリーと同様、とても清楚で控えめな反面、一途な女性らしさもかいま見える素敵な人でした。 |