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祐之さんは、棗などの茶道具を中心に伝統工芸士として蒔絵を追求し続ける正統派。黙々と仕事に打ち込まれる姿がダンディーです。絹代さんは、漆をもっと生活にと、琥珀や水牛の角、黒蝶貝など天然素材に蒔絵を施したアクセサリーを創作するチャレンジ派。若い時は人と接するのが苦手で、家の中でじっと続けられる仕事に就きたくて蒔絵の道を選んだそうです。でもアクセサリーを作るようになって、自分で売らなければいけなくなって、自分の作品を前にしてのお客様とのお喋りが楽しくて、今では展示会で全国を駆け巡っています。ユーミンの音楽が流れる中、向かい合う作業台で黙々と仕事を続けるお二人。昼も夜も顔を見合わせていて飽きないのかなとか、何も話しをしなくて退屈しないのかなとも思いますが、不思議と知的、創造的パワーに溢れています。 | そして二人の空間から生まれてくるのは、伝統の継承ではない祐之さんと絹代さんのそれぞれの個性です。すでに4回の入選を果たした日本伝統工芸展に毎年挑戦し続けて、伝統の技を極めてほしいと夫に願う絹代さん。どんどん外に出て、いい人と出会って、良い刺激を受け、良い作品を作り続けて欲しいと妻に願う祐之さん。それぞれの個性を認め、お互いに尊敬しながら創作を続ける針谷さんご夫婦ですが、お二人ともに同じ地元の出身で、蒔絵の修業時代に知り合い、お互い苦労を分かち合った間柄だからかもしれません。 |
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