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坂井陽一さんは木工と漆、奥様の和子さんは陶芸がご専門。「陶漆花いけ」は、奥様がやきもので生地を作り、ご主人が漆を塗り、やきものでは味わえない質感を表現しています。 「異質素材工芸同士の共同制作を、単なる組み合わせではなく一体化された機能やフォルムを持った作品として表現したい」と難しそうなことをおっしゃいますが、わかりやすく言うと夫婦の共同制作。 そんなご主人が、魅入られているのが「古民具の再生」。工芸の専門家からは、「単なる塗り直しではないか、形に創造性がない」とお叱りも受けますが、長年木地の仕事をしてきた坂井さんが、本当に歪みのない良い木地を求めて、たどり着いたのが古民具だったというから憎めません。 | 日本が大量生産の使い捨て時代になる前に作られた家具や民具や農具など(明治から昭和30年代の頃)を、単なるリメークでなく新しい提案として、現代の生活で再び生き返ってもらいたいという願いが込められています。ほっとするような生活の匂いの染み着いた、捨てられるはずだった大切な生活の道具の数々が、木と漆を知り尽くした坂井さんの手によって息を吹き返えしました。 100年近くたった器の微妙なゆがみや傷を風合いとして、汚れた表面をそっとそぎ落とし、当時の職人の丹精込めた下地の層を傷つけずにたどり着き、塗っては研ぎを何度も繰り返して、それはそれは見事に蘇っています。 |
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