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私たち木地屋は、生活が求める漆の形を考え、作りだす第一歩を担っています。と、いつも元気な桐本さん。ここに紹介するのは、「スペースたかもり」の高森寛子さんの呼びかけで作られた漆の紅筆です。 紅筆は口紅を塗る筆ですが、使ってみると「ちょっとだけ改まった気分で、女になれる」気分だそうです。 厳選したイタチの毛を使った穂先は奈良筆の伝統工芸士・鈴木一朗さん、穂の根本と軸の上下に萬屋浩司さんの象牙細工、軸は竹に漆を塗った桐本さんの漆仲間たちというこだわりの作品です。 よりよいものを作ろうという思いから、地域の違う異った分野の作り手さんが、打ち合わせを重ね、手間をかけ、それぞれの仕事を尊重しあいながら作っているもので、年間300本が限度だそうです。 | 漆の軸には他に弘前の須藤さん、高山の滝村さん、山中の八木さんと、各地の若い作り手さんも参加しています。ざらざらした蒔地の椀は、とにかく丈夫。能登の欅に漆を塗って、乾かないうちに輪島の珪藻土からつくられた地の粉を「蒔いて研いで」を繰り返し、固すぎて、研ぎにくく量産に向かないといわれながらも、強い漆なら気軽に使ってもらえると思って作ったものです。桐本さんは、赤木明登さんや若い産地の仲間たちと、昨年「ギャラリーわいち」をオープンさせ、グッドデザイン賞・新領域デザイン部門を受賞されていますが、今の時代にあった新しい漆の塗りと形を追求し続けています。 |
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