九谷焼アロマディフューザー
『COCHUCA』—香り注ぐ花—
Kutani Porcelain; Aroma Diffuser
「色が好き」という仲川さん。工房を訪れると、発色や配色を見るために自作した、色とりどりの“花びら”のような色見本を見せてくれた。
「石川県デザイン展」で上位入賞したアロマディフューザーは、花を模したスティックがオイルを吸い上げ、ゆっくりと香りを放つ。よく見かける素焼きではなく、丈夫な本焼き。徐放性を保つよう、九谷焼技術センターの協力を得て土の改良から始めた。焼き締めに彫りを施したもののほか、施釉したもの、淡い色彩の上絵をつけたものもある。手びねりの、ちょっと不思議なシルエット。でも、手の平にのるくらいのサイズだから、棚やデスクまわりに違和感なく置ける。
豪華な上絵が目を引く器ではなく、さりげない香りでふと存在に気づく生活道具。九谷焼の表現が、また少し広がった。