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九谷焼
食卓を楽しく彩る
小皿、豆皿
九谷焼の白生地に、
あでやかな桜の花が咲き誇る。
エイジデザイン株式会社
稲垣 揚平
思わず手に取りたくなる桜の花。金沢ブランドにも石川ブランドにも認定された「さくら小皿」である。醤油などを注ぐと桜の花型がぱっと浮かぶアイディアが秀逸だ。九谷焼産地の花坂陶石をブレンドした生地を使用、鋳込み技術で作る生地型を使ったもので、九谷焼には珍しい白生地の小皿である。
「長く使ってもらえる新しいデザイン」をコンセプトに、自社ブランドとして何かを立ち上げたいと考えていた稲垣さんは、アイディアの引き出しに自然の花や葉のスケッチを描きためていた。そんな中から引き出したのが桜のモチーフだ。日本人が愛する花であり、海外にも日本を象徴する花として知られていることに確信を得、開発に踏み切った。
扇状や瓢箪などの形をした伝統的な異型小皿の愛らしさを参考に、３Dモデリングを導入。シンプルな形状と桜のモチーフを取り入れたデザインとした。型抜き、乾燥、釉薬、焼成と九谷焼の工程で仕上げた小皿は、白生地に加え、花柄を描いた華やかなセットも登場した。
「形をシンプルにしたのは、汚れがすぐ取れるようにとの配慮もあったからです」。食器を洗う人への思いやりもにじませ、「伝統を受け継ぐ九谷焼の一助になれば」と伝統産業の活性化にも思いを寄せる稲垣さんである。
