Classic + Contemporary
加賀蒔絵の技術を応用し、現代の装いの美を表現。
漆工芸 大下香仙工房
大下 香征
平成 26 年に創業 120 周年という節目を迎える大下香仙工房。 代々培ってきた加賀蒔絵の伝統技術を受け継ぎつつ、その時代が求める蒔絵を制作している工房だ。 古典的な棗 (なつめ) をはじめとした茶器全般や印籠、根付など、丁寧な仕事で厚い信頼を広げてきた。 近年では国内万年筆メーカーの高級蒔絵万年筆やジュエリーなども多彩に展開している。 時代を経ても変わらないのは、格式ある蒔絵・漆の技術。そして、初代雪香 (せっこう) から受け継がれる美意識と感性、独自性にある。
今回出品の一つは、アンティークジュエリーの風合いを醸す 「once upon a time (昔々あるところに)」 がテーマの愛らしいシリーズ。 金や漆、夜光貝、白蝶貝など蒔絵に使われる高級素材が採用されている。
もう一つは、古典柄を現代的にアレンジしたピアスや大胆な絵柄を配したバングルなど、オリジナリティあふれるスタイリッシュなシリーズ。 まさに纏う芸術ともいえるアクセサリーが輝きを放っている。
「伝統とは、革新を繰り返して未来へとつながっていくもの」 と語る大下さん。 伝統をファッションの一つとして考え、蒔絵ジュエリーを世界に広めたいとも語ってくれた。