空間に優しい彩りを
和紙の風合いはそのままに、
水を入れても漏れない器。
浅倉紙業株式会社
創業明治 30 年。和紙の製造・販売はもとより、和紙を使ったインテリアの企画や施工、さらにはタペストリー、パネル、照明具といった製品開発も手がける浅倉紙業。和紙のスペシャリストの今回の挑戦は、水を入れて使える和紙の器である。 「えっ、水に弱い紙がなぜ」。 そんなサプライズを提供することで和紙への関心を喚起し、使用する機会が減りがちな和紙の存在感をもっと高めたいという意図からだ。
水に強い紙器はあることはあるが、樹脂などで塗り固められ、紙らしさが損なわれてしまっている。 そこで同社では、和紙独特の柔らかな手触りや天然繊維の素朴な表情などを残しつつ、耐水性能も確保した器をめざして検討を重ねた。食の祭典 「Cook it Raw in ISHIKAWA」 のための和紙器開発なども経て、登場したのが水を注げる器 「KAMIWAN」 である。
花器をはじめ多様なシーンで活躍しそうな八角形は、地元デザイナーとの共同作業から生まれた形。伝統の素材のやさしさをさりげなく現代の暮らしに導いている。円筒状の一輪挿しは、手間やコストの削減を念頭に開発した発展形で、和紙の糸を手織りしたタペストリーが添えられた。 「和紙をもっと現代の暮らしに」。 可能性の追究に余念のない浅倉紙業である