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以前はIT企業で世界を相手にする技術開発に携わり、機能性を重視し、伝統や感性とはほど遠い世界にいた。しかし現職に就き、企業発展の打開策を模索して北陸先端科学技術大学院大学に入学。そこで参加した「石川伝統工芸イノベータ養成講座」が大きな転機となった。伝統工芸に携わる多くの人と出会い、伝統工芸こそが差別化の最たるもの、との確信を得て取り組んだのが「伝統工芸×IT」である。
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初めての製品は山中漆器の道場順一さんとのコラボレーション。茶道具の技術を若い市場で試してみたいという思いに共感し、USBメモリに着眼した。3カ月かけて繊細な高蒔絵を施した「いしかわメモリ」は、まさに山中漆器の小宇宙。魅力的な製品に仕上がった。次作は北野啓太さんと共同開発した九谷焼USBメモリ。試作を重ねたが意外に手ごわかった。焼くと縮みや反りが出るうえに、金彩がかすれる。それならば焼き上がった九谷に機器を合わせればいいと、アタッチメントなどを改良して商品化にこぎ着けた。わずか2p×6p×1pの箱を青粒、花詰、金襴手、吉田屋風などの伝統柄が彩る。これらを入口に、若い世代が伝統工芸の世界に関心をもってくれればと、砂アさんは語る。
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