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ある日ふと目にとめた日用品。色の対比の美しさに「これだ」と直感してできたのがこのボウルだ。誰にも真似のできない新しいものを、と模索していた時期だった。赤や緑、青の顔料を下地に、緻密な絵柄を金彩でパッチワークのように描く。すっきりと品が良いのは、土を白く仕上げながら九谷本来の味わいも残したいという高さんのこだわりからだ。 高さんがイメージしたのは、休日の朝食風景。ライフスタイルにこだわる二人の休日が心地よくスタートできるよう、現代の生活空間に溶け込むものを届けたいと考えた。 |
絵柄にはパイナップルが隠れていたり、ハートやスペードが小紋柄のように配されていたり、遊び心たっぷりだ。 九谷焼の絵付けを家業とし、代々金襴手を得意とする高家だが、高さん自身は大学では陶芸を専攻せず、日本画などの美術を総合的に学んだそうだ。だが、再び九谷焼の世界に戻ってきた。小さい頃から九谷焼に囲まれて育ったので、三代目を継ぐことに抵抗はなかったという。消えつつある希少な伝統技法を継承し、九谷焼の語り部として作品を発信し続けていくことがこれからの大きな目標だと語ってくれた。 |
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