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春、工房のわきに夕顔の種を撒いた。ふた葉から本葉になり、ぐんぐんとツタを延ばし、やがて現れた蕾にインスピレーションを受けたことが今回の作品につながった。そう稲積さんは語る。
命や信仰など目に見えない神秘的なものに惹かれるという。それを自分なりに形にすることが彼女のテーマだそうだ。花びらをらせん状に折りたたんで開花を待つ蕾。そのふくよかなふくらみを陶土に写し、生命の象徴である火を灯すあかりとした。夕顔の「命」をそのままそっと形にしたのが、今回の作品である。 |
「その時の気持ちのままに」という彼女の作品には、生活の役に立つものということ以外、決まりごとや作風はない。ある時は色、またある時は形、と思いは変化し、作り手とともに成長する。「いつか、今まで見たことがないようなものを作りたい」とワクワク顔で語る彼女。これからどんな形を見せてくれるのだろうか。 |
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