長い主婦歴の後、ご主人と一緒に陶芸の世界に入った寺前さん。自分で焼き物を作るというより、デザインやコンセプトを立ち上げることが大事な仕事になっています。
だからこそ使う立場から考えて、形や大きさ、風合いから価格まで、気配りがゆき届いた作品群ができたのでしょう。
古九谷、古赤絵、日本の紋様など、いくつかのラインナップはありますが、いちばんの魅力は「遊びといやしを意図した」というモダンのシリーズ。
ろくろを使うとどうしても決まった形になってしまうので、あえて形のそろわない手起こしという技法も多く使って成形しています。絵柄は、もちろん1点1点手描きで仕上げています。
丹誠込めてというよりも、あくまで楽しくのびのびと瑞々しい感性が匂い立つような作品ばかり。 |
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ご自分でも使っているというだけあって、楽しくて実用的なものばかりです。
旅行が好きで、年に2〜3回はご夫婦で海外旅行に出かけるとか。ペルシャ、ネパール、ペルー等、世界各国で影響を受けてできあがった作品も多数。でも作品を作るために旅行に出るのではなく、楽しい旅行のついでに作品も出来たのかもしれません、とのことでした。
「器づくりは自分のためと思ってしているのですが、それが皆さんに気に入ってもらえると嬉しいですね」と語る寺前さん。ライフスタイルも、まず自分のテイストで人生を楽しむこと。器は人生のほんの一部でしょう、と話してくださいました。
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