大福寺石火鉢
Stone Brazier
円錐形の美しい山容から「能登富士」とも呼ばれる石川・能登半島の高爪山。そのふもと、里山の風景が広がる志賀町大福寺で採れる石が「大福寺石」である。軟石だが乾くと硬く丈夫になる。
以前は家の土台や神社の鳥居、さらに火に強いことから蔵や囲炉裏に使ったりと、身近な素材だった。そんな大福寺石を再び住まいの中で使えないか、そんな思いで中島さんが創作したのが火鉢だ。
コンパクトで丸みのある姿は、そこにあるだけでも空気が和む。炭火で湯を沸かし、お餅やおにぎりを焼けば、何気ない日常にゆとりが生まれる。炭を熾したり、火鉢のおへそのような空気穴を開け閉めして火力を調節したりと、ちょっとした手間も楽しい。
石を愛する中島さん。生まれ育った能登の魅力を発信しようと、石工としてできること、自分ができることをいつも探している。