審査会レポート

平成29年度の選定商品審査会を11月24日に実施しました。デザインやプロデュースなどの分野で活躍中の3氏を審査員に招へい。石川で生まれた多種多様な商品が並ぶ中で、応募者のプレゼンテーションや審査員による寸評・助言などが行われ、18事業者の商品が本年度の選定商品として認定されました。

事務局から

石川県デザインセンターの選定商品事業は、優れたデザインの商品を全国にご紹介し、少しでも多くの方々の手に取っていただくための支援を行う事業です。昭和62年度から実施し、東京ビッグサイトのインターナショナルギフトショーへの出展は本年度で17回を数えることとなりました。この事業をきっかけに全国の百貨店や専門店などへ販路を拡げた先例も多数あります。つくり手の皆さんには、審査員の先生方のアドバイスに耳を傾け、反映できるものは反映しながら、さらなる飛躍につなげていかれることを期待するとともに、商品が1人でも多くの方々の手にわたり、愛され喜んでもらえることを念願しています。

大谷 友理

大谷友理 金城大学短期大学部美術学科 助教

ユーザーはより厳しい目でモノを選ぶようになっています。そんな中で、人々に響くものづくりとはどのようなものでしょうか。「人生を通じて愛用できる価値」はもちろん、その真逆の「気軽に取り入れられる価格」を訴求することも有効だと思います。また“ 持たない暮らし”の価値が見直される中で、「場所をとらず、多用途に使えるもの」のニーズも高いのではないでしょうか。

正理美和子

正理美和子 zuiun マネージャー

10年間のバイヤー経験を通じて言えることは、人は「こんな暮らしがしたい」「こんなふうに日常に取り入れたい」とリアルにイメージできると、購買意欲が高まるということです。
今回は私自身がお客様に紹介したいと思えるモノがたくさんありました。次の段階では、モノを生活者の暮らしにすとんと落とし込めるようなビジュアルづくり、ストーリーづくりを意識してほしいと思います。

戸田 祐希利

戸田祐希利 デザイナー/「暮らすひと暮らすところ」代表

私は普段、全国各地の作り手さんと一緒に、日常の暮らしが起点となる商品づくりに取り組んでいます。そこで大切にしているのは「誰に伝えるか」ということです。作り手としての主張を持ちながらも、発表する場に合わせて、あるいは買ってほしい人を定めて、強調する部分とそうでない部分を詰めて考えることが大切だと思います。また展示会では、多くの意見に振り回されない強さも必要です。