ちょこ、小皿
Sake Cup, Plate
厚みのある映画や舞台が生まれるのは、名脇役の存在があってこそ。住空間でもそれは同じ。料理や酒、花などの主役を引き立て、その場に調和させるのは、バイプレイヤーたる器の力量だ。横山さんの漆器もそんな発想から生まれたもの。主張し過ぎず、それでいて輪郭に豊かな表情がある。
自分でラインを微調整できることから、横山さんは乾漆技法を好む。酒器も輪花皿も、いずれもフラットな空間にリズムを生むような、動きのある形状。持つと驚くほど軽く、手なじみがいい。どんな料理を盛り付けるか、どんな食卓を演出するか。使い手がコーディネートすることで、人の心を動かすストーリーが生まれる。
漆に魅かれ、この世界に入った横山さん。独立して2年。「一生漆と付きあっていく覚悟です」と潔く。