カトラリー、重ね鉢
Cutlery, Nesting Bowls
「ガンガン使える漆器」と聞くと、驚く人が多いはず。漆器といえば、繊細で扱いが難しい高級品というイメージが根強いから。そのイメージを覆すのが垣内さんだ。
垣内さんの漆器は中塗漆を3~10数回塗り重ねて仕上げている。素朴な手法だが、普段使いできる丈夫さが備わる。あえて塗りムラを出すことで初めからどこか古びた表情が漂い、実際に使い込めば、そこにツヤが増す。
カトラリーは価格も魅力。垣内さんのデザインをもとにミャンマーの提携工房の職人が素地を刳りぬき、仕上げは垣内さんが自工房で行うという工程で、品質を保ちつつ価格を抑えている。
沈金から漆器の世界に入り、独学で塗りを始めたという垣内さん。従来の高級品とは一線を画すコンセプトで、身近に漆器のある暮らしの楽しさを伝えている。