フラワーベース『COLLAR』
Flexible Vase
安達さんが操る「板締め絞り」は、折りたたんだ布を板で挟んで幾何学的な模様を染める染色技法だ。にじみやぼけなど手染めならではの偶然性の美を愛する安達さんだが、その表現はアナログの世界にとどまらない。
『COLLAR』は、板締め絞りで得た模様をデータ化してポリエステル地にプリントし、形状安定性を持続させるプリーツ加工を施したフラワーベースだ。一枚の布なので、普段は折りたたんだ状態でしまっておけるが、ビンや容器にかぶせるとオブジェのような佇まいの花器に変貌する。どんな形状にも柔軟にフィットし、使用後はまた元の状態に戻る。
伝統的な技法と産業技術を掛け合わせて生まれた機能美。現代的なミニマルな生活の中で、どう心の豊かさを残すか―。そんな命題に対する回答のひとつとなる新発想だ。