ビアグラス『Hana』
Beer Glass
白山の麓、吉野工芸の里の一画に夫婦2人で工房を構える。冬は雪に包まれる場所だからこそ、春の芽吹きがいっそう待ち遠しく、そして美しい。
透明感が際立つシンプルな器から、色もかたちも自由で大らかなオブジェまで、工房の表現は多彩。ビアグラスは、内藤さんが以前から手掛けていた乳白色のグラスをビール専用に仕立てたもの。2層の色被せガラスを丁寧に削り、“ぽちぽち”をアクセントにつけた。黄金色のビールを注ぐと、小窓からうまそうな色がちらりとのぞき、口からこんもりと泡が盛り上がる。乾杯する手に、すっとなじむ柔らかな感触。
白山の伏流水を使った地ビールに合う器をテーマにしたコンペで最優秀賞を獲得した実力派。ちょっと特別な一杯を楽しみにする心は、春を待つ心にも似て。