審査会レポート

平成28年度の選定商品審査会を11月10日に実施しました。デザインやプロデュースなどの分野で活躍中の3氏を審査員に招へい。石川で生まれた多種多様な商品が並ぶ中で、応募者のプレゼンテーションや審査員による寸評・助言などが行われ、18事業者の商品が本年度の選定商品として認定されました。

事務局から

石川県デザインセンターの選定商品事業は、優れたデザインの商品を全国にご紹介し、少しでも多くの方々の手に取っていただくための支援を行う事業です。
昭和62年度から実施し、東京ビッグサイトのインターナショナルギフトショーへの出展は本年度で16回を数えることとなりました。この事業をきっかけに全国の百貨店や専門店などへ販路を拡げた先例も多数あります。つくり手の皆さんには、審査員の先生方のアドバイスに耳を傾け、反映できるものは反映しながら、さらなる飛躍につなげていかれることを期待するとともに、商品が1人でも多くの方々の手にわたり、愛され喜んでもらえることを念願しています。

岩本 歩弓

岩本 歩弓

パッケージや展示に工夫をしたり、モノにまつわる物語を考えたりと、ちょっとしたことで商品のイメージやインパクトは大きく変わります。今回集まった商品は、モノとしては魅力的な商品ばかりなので、今後は深い部分で「どう育てていきたいか」ということを考えていただきたいと思います。他の作り手さんのブランディングや情報発信の仕方を我が事に置き換えて真剣に見ると、参考になることが多いと思います。

畝野 裕司

金沢美術工芸大学 デザイン科教授
畝野 裕司

ものづくりを行う上で重要なのは、モノ自体の質はもちろん、ビジネスとして継続していけるかという観点です。今回アドバイスしたいのは、みなさんもっと自分の商品の価値に自信を持ち、しっかりとした値付けをしてほしいということです。商品価値に見合ったパッケージも重要です。
自分の商品を買ってくれる人を想像し、その人の興味を引く「佇まい」を意識していただきたいと思います。

戸田 祐希利

デザイナー、「暮らすひと暮らすところ」代表
戸田 祐希利

私は普段、プロダクトデザイナーとして日常の暮らしを起点としながら、全国各地の手工業の作り手さんと連携して商品の企画・提案を行っています。本事業の審査員を務めるのは今回が初めてなのですが、みなさんが良いものづくりをされているのを見て非常に頼もしく思いました。作り手発のメッセージをいかに使い手に伝えていくかが、今後の課題になるのではないでしょうか。