象嵌アクセサリー
Inlay Accessory
手を動かすことが好き。世界観が凝縮された小さなものが好き。そんな前田さんは、大学時代に加賀象嵌に出会い、また人間国宝の中川衛氏に出会い、金工作家の道を選んだ。
象嵌とは、地金に紋様を彫り込み、異なる金属をはめ込む技法のこと。藩政期に始まった加賀象嵌は、はめ込んだ紋金を平らに仕上げる平象嵌が特色。見えない部分に技を凝らす、奥ゆかしくも奥深い美学。緻密な技法を編み出した先人の知恵と情熱を想像すると、敬意を払わずにはいられないという前田さん。
「身につけた人の心に小さな幸せが生まれれば」と、上品で柔らかな表情のアクセサリーを提案する。
伝統工芸に携わるということは、伝えられてきた技を、伝わるかたちにして人々に届けること。そんな思いに背中を押されながら。