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ガラス

装SHOCKなガラスウェア

工業用素材で描き出す、
ニューレトロなガラスの世界。

ガラス工房 STUDIO plusG
市川 篤

古くより醤油の産地として知られる金沢市大野町。この街の一隅に、ガラス工房「スタジオ・プラスG」はある。築百年の醤油蔵を再利用した空間で、器から芸術、建築まで、幅広いジャンルのガラスづくりに取り組む日々だ。

「最近は特に工業用の板ガラスを使ったものづくりを追求しています」と語るのは、スタジオ主宰者の市川さん。厳正な規格で高品質、しかも手に入りやすいという工業用素材の特性に着目。現代の産物である板ガラスと、20世紀初頭のアールデコ表現を融合し、シンプルさと装飾性を併せ持つクラフトウェア「CRADECO(クラデコ)」シリーズを世に送り出している。

今回の提案は、当シリーズのスイーツ皿である。モチーフは、どこかでよく見かける花々。青板ガラスを円形に切り、裏側に細長いパーツを丸く並べて花弁を表した。また、表面をすりガラス風に加工することで光の乱反射を促し、裏側のパーツの輪郭を優しく浮かび上がらせている。花に似せた波状のカットしかり、底部にあしらった気泡しかり、皿の表情にはニューレトロな華やぎや気品が加えられ、新しい装飾表現の世界を紡ぎ出した。

「ガラスは透過性があるので内側にも外側にも独自の世界が展開できます。素材の力をもっと追究したい」。前を向く市川さんである。

CRADECO-Flower CRADECO-Flower

CRADECO-Flower (type BM) ¥5,400
CRADECO-Flower (type WM) ¥5,400
CRADECO-Flower (type NM) ¥5,400
CRADECO-Flower (type WS) ¥4,320
CRADECO-Flower (type NS) ¥4,320

Reasons for selecting選定のポイント

板ガラスを素材にしながら、独自の個性的な表現がなされている点を評価したい。ガラスの特性を捉えた技法も巧みである。

Profile

市川篤

市川 篤Atsushi Ichikawa

1963
東京都八王子市生まれ
1993
英国 University College Falmouth Foundation Course修了
1997
米国 工芸学校ペンランド・スクールに
奨学生として参加
1998
富山ガラス造形研究所 ガラス造形科卒業
2002-2007

金沢卯辰山工芸工房ガラス工房専門員
2004
第4回現代ガラスの美展in薩摩
グランプリ(大賞)
2005
第2回現代ガラス大賞展・富山
準グランプリ
2006
第62回現代美術展 佳作
2007
ガラス工房スタジオ・プラスG 設立
2008
個展 金沢21世紀美術館
2011
個展 石川県西田幾多郎記念哲学館
2012
テーブルウェア・フェスティバル2012入選他、展覧会等多数

ガラス工房 STUDIO plusG

〒920-0331
石川県金沢市大野町2-39
携帯電話 090-8266-7490
E-mail studio-plusg@excite.co.jp
URL http://glass.studio-plusg.com/