縦置きできる
和紙レターセット
手の届く場所に置いて、
手紙を書く機会をもっと。
株式会社マルトモ商店
中山 道男
メール、携帯電話、SNSと多様なツールが登場し、最近は手紙を書くことがめっきり少なくなった。和紙を生業とする中山さんはそんな状況に危惧を抱き、「手紙を書く習慣を守っていかねば」とさまざまな関連商品を世に問い続けている。たとえば、文章を考えるのが苦手な人には、50字で紙面が埋まる便箋を。自分の字にコンプレックスを持つ人には、文字を書くのが楽しくなる五線譜の一筆箋を。ハードルをなんとか下げようと知恵を絞る日が続く。
「あふれる情報の中に手紙の存在を埋もれさせたくないんです」。今回は保管スタイルも含めての提案である。封筒や便箋を愛読書のように身近に置いてもらえるよう、縦置きできるブックタイプの外箱を用意した。便箋や封筒は、職人が丹精込めた手漉き和紙。中包みに採用したのが、着物を保管する畳紙(たとうし)風のパッケージだ。中央部を紐で結わえる構造のため、縦置きしても紙がたわむ心配がない。生活を楽しむ大人の小道具として、気の利いたプレゼントとして活躍が期待される商品である。
この他にも、幼子のための「よいこの初手紙」、人生の最期に贈る「おくり鶴」など、中山さんのアイディアは尽きることがない。時代が移り畳紙の需要が減少する中で、紙のプロフェッショナルは今、和紙の未来を手紙に託している。