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ガラス

華の切子

幾重にも重ねた色が、光が、切子を通して花開く。

浅野 恵理子

ガラスにガラスを被せる 「被せガラス」 の手法でベースの形を作り、グラインダーで丹念にカットしていく。 それが浅野さんのガラスの表現法だ。 無色透明なガラス、さまざまな色ガラス、さらに不透明なガラスと、浅野さんが被せるガラスは色とりどり。 そこに切子細工を施すとカットした面から複雑な色と光がこぼれ、模様はより豊かに華やかになる。 「それが楽しいんです」 と浅野さん。

今回出品した蓋物は、お茶会の道具。 茶室という空間とのマッチングを念頭に、道具としての重さやフォルムが吟味された。 色を重ねた茶器と香合はどちらも、愛らしいたたずまいに深遠な輝きを秘めている。一方、白い不透明ガラスを被せた香合は名の通り、華のかんむり。 切子の断面からのぞく赤い光が、お茶会という伝統のひとときに新たな彩りを添えている。

ジュエリーは、ふだん気軽に使えるものをとの意図で制作された。 生物のようにも何かの意匠にも見えるフォルムが楽しく、透明な色ガラスと不透明な白色ガラスとのコンビネーションも興味深い。 胸元を不思議な存在感で飾ってくれそうだ。 生活を彩る華のような切子を求めて、制作に没頭する日々が続いている。

はなかんむり / かぐや / 闇夜の月

はなかんむり ¥ 73,500 / かぐや ¥ 73,500 / 闇夜の月 ¥ 73,500

切子ジュエリー

切子ジュエリー 各 ¥6,300

Reasons for selecting選定のポイント

色の重なりから生まれる表情が美しい。アクセサリーも不思議な形をしていて想像力をくすぐられる。どんな場でも使えそうな大きさだ。

Profile

浅野 恵理子

浅野 恵理子Eriko Asano

1987
石川県生まれ
2008
富山ガラス造形研究所造形科卒業
2010
富山ガラス造形研究所研究科修了
2011
金沢卯辰山工芸工房入所
2013
個展「浅野恵理子ガラス展」山ノ上ギャラリー(金沢)
第8回 清州国際工芸公募展 特選(韓国)
国際ガラス展金沢・2013 入選

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