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友禅
クールな大人の、
アートな小道具
出会いを演出する、70×116mmのビジネスツール。
染色工房 森内
森内 瑞恵
大胆に、椿が一輪。 あるいは、見覚えがありそうな輪郭線がシックな地色の上に潔く描かれている。 好奇心をそそられて手に取り、 開いてみると一転、 内側は目の覚めるような単色の世界。 ブルーやピンクがあふれ出て外観とのコントラストを大いに楽しませてくれる。 大人の小道具のかっこよさを、加賀友禅という伝統の手仕事で表現した名刺入れである。
提案者は加賀友禅作家の森内さん。 長年着物を描いてきたが、着物が売れない時代になり、小物も手がけるようになった。 が、和装小物の域を出ないものづくりでは市場ニーズに応える魅力的なものは生まれない、と痛感。 関係先に足を運んで助言を乞う日々が続いた。 今回、ターゲットをキャリアウーマンに絞り込んだことで友禅の発想では見えなかったものが見え、クールなツールの誕生につながったという。
素材は絹の帯地を使用。 太さが微妙に違う横糸が深みのある表情を作り、しなやかな手触りと絹のつやが特徴である。 ここに加賀友禅の糊置きの技法を用いて伝統の意匠の一部分を思い切りよく描出した。 得意とする伝統の技をベースに、現代の日常をしっかり見据えたものづくりに奮闘する毎日だ。
