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やきもの

九谷赤絵の世界

洗練のフォルムに精緻な赤絵。
瑞々しくて伝統的な美が限りなく。

株式会社 加賀陶苑 芳岳工房
山本 浩二・秀平

鉢は、古伊万里に着想を得た亀甲繋ぎ透かし彫り。 酒盃は夏の花、ほたるぶくろを意匠とする極めて薄い作り。 どちらも成形の妙にあふれている。 これらのエレガントなフォルムにふさわしく、目を見張るほど微細な赤絵細描。 九谷赤絵の名工として知られる山本芳岳さんの後継者二人、兄の浩二さんが素地を、弟の秀平さんが加飾を担当している。

浩二さんは、素地のデザインを主に花の形や古九谷など古陶に探求する。 量産された画一的な素地ではなく、自らがろくろを挽くことによる一点づくりならではの、自由かつ高度な成形である。

かたや秀平さんの赤絵細描は、更紗文や網文など古典的な文様を駆使。酒盃は宝飾品を、鉢は万華鏡の模様を図案化した。古典を基本としつつ、若い感性がみなぎる。 絵の具は芳岳さんと同じものを使いながらも、筆の使い方などによって同じ赤に発色しない。 秀平さん独自の柔和な赤が表現されている。

「デザインに頭を抱え」、 「思うがままにかたちづくり、絵柄を描くことが楽しい」 と口をそろえるふたり。 弱冠二十代にして、ものづくりの遺伝子を感じさせる卓抜した技術。 今後が大いに期待される。

赤絵細描万華鏡文様亀甲繋透彫鉢

赤絵細描万華鏡文様亀甲繋透彫鉢 ¥210,000

赤絵細描

赤絵細描花弁文ぐい呑 ¥18,900 / 赤絵細描葉文ぐい呑 ¥17,850 /
赤絵細描網文ぐい呑 ¥12,600 / 赤絵細描市松小紋ぐい呑 ¥15,700 /
赤絵細描丸文小紋ぐい呑 ¥16,800

Reasons for selecting選定のポイント

驚くほど緻密な手仕事がすばらしい。赤絵にブルーを加えるなど、今までの赤絵とは違う進化した赤絵、次の赤絵を感じさせてくれる。

Profile

山本 浩二・秀平

山本 浩二Kouji Yamamoto

1988
石川県加賀市生まれ
2007
石川県立加賀高等学校総合学科卒業
2009
京都府立陶工高等技術専門校
研究科卒業
2010
株式会社宮吉製陶所 北河道雄師に
師事 型打ち技法を学ぶ
2011
株式会社加賀陶苑入社

山本 秀平Syuhei Yamamoto

1989
石川県加賀市生まれ
2009
京都府立陶工高等技術専門校
図案科卒業
2010
株式会社加賀陶苑入社
2013
1月、阪急うめだ本店に於いて
加賀市主催吉田屋展(グループ展共催)石川県第36回伝統九谷焼工芸展新人賞

株式会社 加賀陶苑 芳岳工房

〒922-0836
石川県加賀市白鳥町10番地
電話 0761-72-2372
FAX 0761-72-2383
E-mail kagatouen40@wing.ocn.ne.jp

2012
金沢市九谷焼諸江屋ギャラリー片町にて初個展
2013
8月、東京銀座三越に
於いて九陶会グループ展出品